Web3に挑戦する日本企業が集結!「Sei Web3 Day for Japan」レポート
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Web3に挑戦する日本企業が集結! 大手企業担当者やWeb3領域の国内外のプレイヤー/有識者らが多数参加したカンファレンス「Sei Web3 Day for Japan」が4月に東京・渋谷のWeb3コワーキングスペース「CryptoBase」開催された。レイヤー1ブロックチェーン「Sei(セイ)」と「KudasaiJP」、「あたらしい経済」、「CryptoBase」の共催イベントだ。 多くの国内企業によるプレゼンテーションと、暗号資産取引所やエンタメをテーマにしたトークセッションが開催され、その参加者は100名を超えた。大盛況で幕を閉じた「Sei Web3 Day for Japan」の当日の様子をこの記事ではレポートでお届けする。 Seiの日本へのコミットメント カンファレンスのオープニングは、Sei Foundation のJapan Lead を務める平手宏志朗が登壇し、イベントの趣旨説明と参加者への挨拶、そしてSeiについて解説を行った。 「Seiは2021年にローンチしたレイヤー1ブロックチェーン。2021年に元ゴールドマンサックスのJeff Fengと元ロビンフッドJayendra Jogが創業したプロジェクトで、サークルやコインベースらが出資している」と平手氏。 さらに平手はSeiの主な特徴は2つだと解説し、「1つは並列処理により高速なファイナリティ到達を実現していること。そして2つ目はEVMに対応しているため開発コストを最小限に抑えた形で導入可能だという点」だと付け加えた。 さらに平手氏は、Seiと同じく並列処理のブロックチェーンもあるが、それらがEVMに対応していないと指摘。一言で言うと「Seiはイーサリアムとソラナのいいとこ取りをしたチェーン」と説明した。 そして平手氏は「SeiがCosmosにも対応しているため、ラストやC++にも対応している」また「今までSeiはモノリシック型だったが、The Parallel Stackを最近発表し、セレスティアのようなDAレイヤーの利用も可能になる」と補足した。 そしてSeiのHead of Business Development and Investments であるJustin Barlow氏も登壇し「Japan Ecosystem Fund」の立ち上げを発表した。 Barlow氏は「このファンドは日本に特化した5000万ドルのエコシステムファンド。主にゲーム・エンタメ・ソーシャル領域をターゲットだが、その他日本の皆さんが得意とする領域であればどんなものでもウェルカム。日本からより多くのチームが育つことを期待している」と日本への資金提供という形の強いコミットメントを表明し、会場を沸かせた。 また平手氏はこのカンファレンスに関して「Seiの説明はこれぐらいに。今日は日本で活躍されている、Web3事業に携われている企業様にたくさん参加いただいた。ぜひ参加者の皆様でSeiに限らず多くのブロックチェーンを使った企業さんの事例などを学び合えるような場としてもらいたい」と述べた。 暗号資産取引所のリーダーらによる白熱のセッション 「Sei Web3 Day for Japan」では、刺激的なトークセッションも開催された。 1つ目のセッションは、暗号資産取引所のリーダーらが集結し、国内の暗号資産業界の課題について議論が展開された。 スピーカーには、ビットポイントジャパン 代表取締役 小田玄紀氏、Binance Japan代表取締役 千野剛司氏、オーケーコイン・ジャパン 執行役員COO 八角大輔氏、ビットバンク 営業部門部門長 兼 事業開発部部長 桑原惇氏が登壇。モデレーターは、幻冬舎 あたらしい経済 編集長 設楽悠介が務めた。 設楽はまず、登壇者ら視点での今年の注目トレンドを訊いた。 オーケーコイン・ジャパン八角氏は国内・海外の2つの視点から注目している点を語った。「まず国内の潮点では伝統的金融との融合が今年のキーワードなると注目している。特にオーケーコインに関係する部分だと特定投資家(プロトレーダー)・税制・デリバティブの3点が個人的に熱いのではないかと思っている」と述べた。 海外の視点では、「オンチェーン」というキーワードがよく挙げられているとした。「例えば大手監査法人EYがコントラクト管理用のL2チェーンを開発中であることや、大手資産運用会社ブラックロックがブロックチェーン上でETFを組成して管理していくという話が出てきていることなどに注目している」とした。 バイナンス千野氏は、伝統的金融との融合がトレンドになる感じているという。「ビットコインETFに相当額が流入している流れを見てもブロックチェーンの金融と株や債券などの伝統的金融との距離は縮まってきており、この流れは日本にもくるだろう」と見ているようだ。 また千野氏は「現実資産(RWA)」にも言及。「ブロックチェーン上に乗っているアセットが実体経済で使えるようになるRWAの流れは今年さらに加速を見せる」と予測した。 ビットポイントジャパンの小田氏は、国内における暗号資産口座開設数の増加を挙げた。「2月末時点では国内の暗号資産口座数は955万口座だった。5~6月にはおそらく1000万口座に到達するだろう」とした(※なお開設数が1000万口座を突破したことが5月23日に日経新聞によって報じられている)。 「口座解説数が1000万の大台に乗ることは、皆さんが思っているよりインパクトの大きく大切なこと」と小田氏は述べた。 ビットバンクの桑原氏は、テクノロジーの観点でクリプト×AI領域が花開いていると感じるという。「ワールドコインやGPU領域を分散化するようなプロジェクトなどが最近散見される。また、グローバルで価格の盛り上がりを見せるDePIN領域をはじめ、AIや、ソラナに近いところが盛り上がっている印象がある」とした。 (つづく)========================このセッションでは続いて「暗号資産ETFは日本では難しいのか?」や「国内でトレード量増やすために取引所がすべきこと」、「レバレッジ規制緩和や税制改正の可能性」などについて熱い議論が繰り広げられた。詳細なレポートはぜひこちらの記事を合わせてお読みいただきたい。→「日本での暗号資産ETF承認は?税制改正やレバレッジ規制緩和はある?」国内取引所らが語る日本の課題と可能性 東宝が目指す「コンテンツビジネス×Web3」 2つ目のセッションでは、コンテンツ業界におけるWeb3への挑戦事例について紹介と議論が行われた。東宝 エンタテインメントユニット開発チーム プロデューサー 栢木琢也氏、SaltSweeet 代表取締役 虞臻(ユ・ジェン)氏が登壇し、 Accenture Song 中谷踏太郎氏がモデレータを務めた。 現在アクセンチュアでメディア・エンタメを担当する中谷氏は、コンテンツ業界でWeb3活用の事業に携わってきた経歴を持つ。中谷氏は自身の経験を交えつつ、東宝の栢木氏とSaltSweeetのジェン氏に、東宝が挑戦している新たなIP事業のWeb3活用について、複数の質問を行った。 東宝の栢木氏は、普段、映画や配信ドラマのプロデュースなどを行う開発チームに所属している。「原作ものを扱うことの多い東宝では、自社保有のIPが意外と少ないこともあり、かねてよりオリジナルIPの開発という命題が同チームへ出されていた」という。 そんな中栢木氏は「新しいオリジナルキャラクターをつくる上で、ファンコミュニティ創生やマネタイズの手段としてWeb3が有用なのではないか」と考えるようになったと述べた。 また「東宝単体ではWeb3マーケティングの組み立てが難しいため、SaltSweeetと協力した」とのこと。デジタルマーケティング会社であるSaltSweeetは、IPビジネスサポートを行う会社だ。東宝とは過去にも、Web3以外の取り組みで中華圏でのサポートを行った実績があるという。ジェン氏は新規IPビジネスサポートを行う以前は、中華圏でコミュニティを活用したIPサポートを行っていた経歴がある。 現在、両社が協力し推進しているIPが「Mofu Mofu Music Caravan(以下MMMC)」だ。このIPは音楽を軸に開発中のオリジナルIP。“もふもふ”という言葉を具現化した世界・モフワールドを舞台に、バーチャルキャラクターバンドが、自由な音楽を取り戻すために立ち上がるというファンタジーストーリーだ。 栢木氏は「今後マーチャンダイジングで露出を増やし、最終的には映画もしくはアニメシリーズにすることを目標にしている」と述べた。 (つづく)========================このセッションでは続いて、「東宝がWeb3領域に挑戦しようと思った理由」や「MMMCのマーケティング戦略」、「計画中の実験的な PR」などについて登壇者らが語っている。詳細なレポートはぜひこちらの記事を合わせてお読みいただきたい。→東宝のWeb3への挑戦、オリジナルIP「Mofu Mofu Music Caravan」で目指す、コンテンツビジネス新領域 Web3に取り組む企業らのプレゼンテーション このカンファレンスのもう一つの見どころは、現在Web3事業に積極的に取り組む国内の企業のプレゼンテーションだった。登壇者らが15分で自社の取り組みを紹介、その後会場からの質問にも積極的に回答をした。その質疑応答はどのセッションでも活発に繰り広げられ、開催時間が1時間以上おしてしまうほどカンファレンスを盛り上げた。 以下が登壇したメンバーだ。 登壇者(登壇順) 中村奎太氏(メルコイン 代表取締役CEO) 星野怜生氏(Dentsu inc. data technology center) 成田大気氏(住友商事 ブロックチェーンリード) 樋口雄哉氏(NEC デジタルプラットフォームビジネスユニット バイオメトリクス・ビジョンAI統括部 web3ビジネス開発 ディレクター) 金森伽野氏(ソニー銀行 部長・Chief Fintech Strategist) 赤石智哉氏(ソニー銀行 Product Marketing Manager) 相原一也氏(Fintertech 代表取締役社長) 多治見和彦氏(みずほフィナンシャルグループ デジタルイノベーション部 次長) 高長徳氏(SBINFT 代表取締役社長) 鈴木崇氏(ローソンエンタテインメント ライブエンタメグループマーケティング本部 マーケティング事業部 新規事業開発部部長) 佐藤達也氏(DM2C 取締役) 金原悠太氏(スズキ IT本部デジタル化推進部DX推進グループ) 中山翔太氏(株式会社モーターガレージ NEO 代表取締役) 舘林俊平氏(KDDI株式会社事業創造本部 Web3推進部長) 赤坂祐貴氏(Meta Akita 代表取締役) 島岡秀知氏(ディー・エヌ・エー Trivia.tech プロダクトオーナー) 増澤晃氏(テレビ朝日Manager, Advanced Contents Business,IoTv Center) おわりに Seiが主催のイベントではあったものの、冒頭のSeiの平手氏の挨拶でもあったように、多くの国内の有名企業のプレイヤーや有識者らが参加し、日本のWeb3の可能性を活発に議論するカンファレンスとなった。 Seiの5000万ドルの日本に特化した「Japan Ecosystem Fund」立ち上げの発表も相まって、改めてSeiが日本に今後コミットしていく姿勢が窺えた。そして多くの日本の企業のWeb3への挑戦を肌で感じることができた、熱い1日だった。 関連リンク レポート文:髙橋知里編集:設楽悠介 Source: https://www.neweconomy.jp/features/seiedj/393706
Filed under: News - @ July 3, 2024 3:18 am